【書評】岩佐義樹『毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術』

文章を執筆・校正する者はいつも文章にミスがないように気をつけている。気をつけてはいるがミスは随所に潜んでいる。間違いがないように気をつけるために最も必要なことは、「正しいことを正しく知っておく」ことだ。

「文章を書く」ということが「誰でもできる」と思っている人はとても多い。しかし「整った文章」だとか「文法上正しい文章」だとかが「誰でも」書けるか、と言えば、実はそうでもない。だからこそ、作家やライター、校正者といった仕事が成り立っている。実際のところはプロの作家やライターも、自分が使う言葉や表現が正しいかどうかをひとつひとつ調べながら書いているのだ。

という訳で、「ミスがなくなるすごい文章術」と題した本書では、単語や慣用句の正しいかたちをいくつも例示している。簡単ながらよくある「×こんにちわ→○こんにちは」にはじまって、近頃インターネット上で頻繁に見かけるようになった「×やむ終えない→○やむを得ない」や「○せざる負えない→○せざるを得ない」、また時代が変わるとともに意味が移り変わってきた「確信犯」や「破天荒」など。本書を読んで思い違いをしていたことに気づく人も多いかも知れない。

本書に掲載されている事例を確認して気をつけておくだけでもミスがずいぶん減るのではないかというほど、例が多く示されている。またそれらが楽しく読めるよう平易な文章で書かれていて親しみやすい。

日記やブログにはじまり、論文や小説など、「書く」人はプロもアマチュアもたくさんいる。そのいずれの人も一読しておいて損のない1冊。

『毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術』 
岩佐義樹(毎日新聞社用語委員会用語幹事) 
2017年3月25日発行/定価1300円/ポプラ社